My Architecture Report

建築探訪エッセイ。だいたい月一回更新。

2018-01-01から1年間の記事一覧

生きられる出生地 / 信毎メディアガーデン

12時に新宿発、松本行きの特急スーパーあずさ。中央線の郊外を抜け、多摩川を渡って山を分け入っていくと、車窓には山肌の彩り豊かな紅葉が広がっていきます。日付の上では師走になったとはいえ、やや季節外れの暖かさの残る晩秋の気候のなか、新幹線の半…

謎のウッツォン / バウスヴェア教会

スマホのメモに「ウッツォン」と入力したつもりでいたら、予測変換で間違いがあったのか、「ウッチャン」と保存されていました。ヨーン・ウッツォン(1918〜2008)はコメディアンではなく、デンマークの建築家です。こんなふうに、日本の一般の人た…

Bjarke Ingels Groove / 8ハウス

9月下旬、夏季休暇を利用してデンマークに8泊9日の旅行に行きました。気候に恵まれ、大きなトラブルもなく、現地の人たちも親切に接してくれ、とても良い旅となりました。多くのスポットを訪れ、建築を見て回りましたが、これから2回に分けて、特に強く…

谷戸の風景 / NOTCH HOUSE、和泉川

1、NOTCH HOUSE 常軌を逸した暑さか、さもなければ台風か。そんな苛酷な気候が続くなかではありましたが、8月上旬の日曜日、知人の建築家の溝部礼士さんの設計で新しく完成した住宅「NOTCH HOUSE」のオープンハウスに行ってきました。横浜市の内陸部、相鉄…

夏のコーヒー巡り / ブルーボトルコーヒー

今月は趣向を変えて、一箇所の建物や場所についてではなく、複数のスポットを訪れるシリーズ形式で書いてみます。取り上げるのはブルーボトルコーヒー。サードウェーブコーヒーの代表格として2015年に日本に上陸し、現在まで東京に七つ、京都にひとつ、…

ヘテロトピア散歩 / 府中インテリジェントパーク

5月31日から6月1日の一泊二日、中堅社員研修で府中市の研修施設に滞在しました。朝、会社への通勤とは逆の下り方面行きの電車に乗ると、普段と違うことは起こるもので、同じ最寄駅に住んでいる従姉が、3才と1才の男の子の兄弟を連れて入ってきたとこ…

流れと場所 / 時間の倉庫 旧本庄商業銀行煉瓦倉庫

三寒四温の日々が続く五月中旬の金曜日。その日は晴れて暖かかったので、建築エッセイの探訪に出かけることに決めました。今回の行き先は、埼玉県北西部の本庄市にある「時間の倉庫 旧本庄商業銀行煉瓦倉庫」。前日にリサーチしていると、某旅行ガイドブック…

からまりしろでの数時間 / 太田市美術館・図書館

今年度から、月に一回のペースを目標に、建築を見に行って文章にまとめることにしました。 初回は、太田市立美術館・図書館。4月下旬の晴れた休日、平日の出勤の時間よりも少し遅く家を出て、メトロで北千住まで行き、特急りょうもうで関東平野を北上します…