My Architecture Report

建築探訪エッセイ。だいたい月一回更新。

2019-01-01から1年間の記事一覧

ブランドの世界と、その外へ / ラ・コリーナ近江八幡

今回取り上げるのは滋賀県にある「ラ・コリーナ近江八幡」。和洋菓子製造販売のたねやグループのフラッグシップ店である。元は厚生年金休暇センターだったという甲子園球場3つぶんの広大な敷地に、藤森照信さんの設計による草屋根が有名なメインショップ、…

2010年代の最前線 / 須賀川市民交流センター tette

8月を最後に、忙しさにかまけてすっかり更新をさぼったまま年末になってしまった。先日、もはや忘れかけていたパスワードを入力してこのサイトにログインし、アクセス解析を開いてみたら、てっきり閲覧数の欄には0か1といった数字が表示されると思ってい…

鈍色のヨーロッパ / ウラジオストク

仕事の忙しさが続いていて、7月は更新することができなかった。休日出勤に出ることも多く、その分、建物を見に出かけるのも文章を書くのもスケジュールの外側に追い出される格好となった。ただ8月の9~12日は、暦の三連休にその休日出勤の振替休日を加…

丘の上のCCRC / 桜美林ガーデンヒルズ

建築の設計を職業にしていると、身につけるべき知識やスキルには際限がなく、また、職能をとりまく社会状況もたえず変化している。CCRCという言葉も、最近初めて知った。これは ”Continuing Care Retirement Community” の略。いわく、高齢者が元気なう…

団地のゆるさに / 洋光台団地

洋光台団地というセレクトは、突然思いついた。この建築レポートの訪問先の候補リストはiPhoneのメモに羅列しているのだが、洋光台団地は入っていなかった。5月についてはゴールデンウィーク中にでもリストの候補地のどこかに少し遠出して行くのだろうかと…

突然の雲海 / アミューあつぎ8階

誰に頼まれるでもなく始めたこの連載も早や一年、今年度も淡々と続けていければと思う。先月からですます調でなくなっているが、深い意味はなく、単なる気分転換である。このあたりのルーズさが、個人でネットで書いている気楽なところなのだろう。 * * *…

逆さ富士、「やられた感」 / 静岡県富士山世界遺産センター

静岡県富士山世界遺産センターには、苦い思い出がある。2014年はじめに開かれたプロポーザルコンペにうちの会社も若手主体のチームで応募し、僕も担当していたが、一次審査を通過することはできなかった。社内のミーティングで、自分は敷地から富士山に…

橋をいくつも横切る / 新宿シティハーフマラソン(10km)

前回も似たことを書いたように、1か月があっという間に過ぎてしまう一方で、その同じ1か月前が遥か昔のことにも感じられるという奇妙な月日の感覚が、自分のなかで近ごろ強まっている気がします。今回取り上げるのは、そんな1か月前に参加した「新宿シテ…

台湾に宇宙船のごとく / 衛武営国家芸術文化中心

まだ1か月しか経っていないのに遠い昔のことのように感じますが、昨年末、早めに冬休みをとって台湾に旅行に行きました。台北に3泊、高雄に1泊。そこで今回取り上げるのは、台湾は高雄の「衛武営国家芸術文化中心」。先の10月にオープンしたばかりの巨…